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菅総理の正体は?

マスコミ各社が発表した菅新内閣発足後の支持率は、鳩山内閣末期の19%から60%台へと急激なV字回復を示すものであった。参院選比例代表の投票先も民主党は前回から倍の30%台に上昇したという。

 民主党贔屓の世論調査であるからその数値は信頼に値しないとしても、表紙が替っただけでこれほどまでに支持率が回復するというのは、今の日本に民主党の実像が見えていない人が如何に多いかということを示している。 マスコミは街の声と称して菅総理の印象を「クリーン」「庶民代表」「苦労人」という肯定的な表現で喧伝している。

 であればこちらは一切の私情を交えず、冷静かつ客観的に菅直人の正体を分析してみる。


『政治活動の原点』

 菅はこれまでの経歴からして政治のいろはに始まる内政の各分野、外交、国家安全保障について、まともな研鑚を積んできたわけではない。

 彼は常々「私の政治活動の原点は市川房枝先生」と公言している。市川女史はわが国草分けの女性運動家であり、大正末から昭和の戦後を通じて婦人参政権付与や女性の地位向上に大いに貢献された人である。菅は市川女史の選挙事務局長を務めたことを誇りにしているようであるが、菅が市川女史の選挙を応援したとき市川女史は落選中ではあったが既に参院議員三期(18年)の実績があり、都市部では知名度も高かった。昭和49年の復活当選はけっして菅の能力、手腕によるものではなかった。

 当時彼は、後年の政界入りに燃えていた。市川女史を政界入りの踏み台にしたのである。彼は市川女史に私淑したかのようにいうがそうではない。もし我望さえ満たせるのなら他の誰であってもよかった。このあたりは有吉佐和子がその著書で述懐している。

 また彼は政治理念の原点として松下圭一氏の「市民自治」の思想をあげる。ここにも菅の国のリーダーたるの視点や国家観というものが見えてこない。彼には明確な政治理念もなければ国家観もない。

『乏しい自己統制力』

 リーダーに不可欠な資質(能力)には自己統制力(self-control)がある。

 菅は「イラ菅」と呼ばれるように己の感情をコントロールする能力が著しく欠如している。
 先の国会でも己に都合の悪い質問には眉間に縦シワ、こめかみに青スジでイライラと答弁する場面が頻繁にみられた。質問者は冷静なのに菅だけが沸騰して、その答弁は論理のすり替え、開き直り、わめき散らしに終始した。

 感情の赴くままに政治を動かすようではとても国家のリーダーと言えまい。

 今回の政権交代を評して「ルーピーからスリーピーへ」というようである。 

 ルーピーは鳩山前首相を指してのことであるが、スリーピーは国会審議で殆んどいつも居眠りをしている菅のことである。国会での態度に留まらず、昨年の天皇陛下在位二十周年の式典では、実行副委員長であるはずの菅は陛下御臨席の前でコックリコックリ居眠りをしていたという。四月二十一日、衆議院決算行政監視委員会で木村太郎議員(自民党)がこのことを追及した。

 菅は言を左右にして事実のはぐらかしに懸命であった。菅は陛下の認証を賜る大臣で
ある以前に日本国民として失格である。不遜である。


 『形容詞、装飾語を多用する政治家は信頼ならず』

 六月十一日の菅総理大臣所信表明演説を聞かされた国民はどのように感じたか。

 演説の内容には論理性も具体性も皆無であった。所信に論理性や具体性がないのは政治理念なく国家観なく、政治をしっかり学んだことがない彼の人柄を顕著に表わしている。

 「真の国民主権の実現」「国民の統治による国政を実現する」―意味不明である。

「課題解決型の国家戦略」―彼は果たして国家戦略の意味を理解しているのであろうか。

「グリーン・イノベーション」、「ライフ・イノベーション」っていったい何だ?。日本は高齢化社会であるからお年寄りにも理解が可能な用語を遣うべきである。

「科学・技術立国戦略」を唱えながら事業仕分けではそれらに関連する事業を廃止し、或いは予算を斬り捨てる。まさに支離滅裂である。

「一人ひとりを包摂する社会を実現」うーん、わからんな。

「これまで日本において国家レベルの目標を掲げた改革が進まなかったのは、政治的リーダーシップの欠如に最大の原因がある」―彼はおそらく鳩山前総理のリーダシップの欠如を言っているのだろう。

 菅の所信表明はこのように用語はすべて意味不明で、それを形容詞や修飾語で塗り潰したものであった。

 安倍首相の所信表明演説は簡潔で「美しい国、日本」を政治理念に掲げ、定義を示し、その実現のための政策を一つひとつ丁寧に、かつ具体的に提示していた。

 その昔、大平正芳首相は演説や答弁の冒頭や繋ぎに「あー、うー」が入ることから、「アーウー宰相」と渾名された。しかし話の内容は理が通っていて分かりやすかった。その政策も的確であった。功績も大きい。

 大平氏や安倍氏と菅氏とでは器量も、持てる教養においてもその差は大きい。

 菅の所信表明演説は政治理念なく、国家観なく、政治をしっかり学んだことがないというその特徴を十分すぎるほどに表わしていた。

 このようにまったく中身のない菅総理に支持が集まるのは摩訶不思議な現象である。

(樹)
.15 2010 論客より comment0 trackback0

赤松口蹄疫事件



 
口蹄疫が目も当てられぬ惨状を呈している。宮崎の悲劇は赤松農水相が就任した時
に、いやアマチュアの民主党政権が発足した時点で運命が決まったと言ってよい。アマチュアは、しかしそれなりの謙虚さがある。経験豊富な自民党議員や官僚の指導を仰ぐだろう。しかしこの政権の恐ろしさは、握った権力に有頂天になり、後先も考えず、自分の面子と好き嫌いを優先させるのを全く躊躇しない子供の集団だということである。

 のんびり外遊を楽しんだ赤松農水相は五月十日になってやっと現地入りしたが、作業服姿で対応に当たっていた古川議員の説明を「自民党議員の話は聞くつもりはない」と全く発言させなかったという。赤松大臣の対応の遅れは宮崎が自民党への支持基盤が厚い土地柄だから困らせてやれと
いう気持ちがあったのかも知れない。あるいは、十年前自民党政権下で口蹄疫が発生した時は殺処分720頭で被害を食い止めているので甘く見ていたのかも知れない。しかしこの初動の遅れは致命的だった。大災厄になったのである。完全な人災である。今回五月二十日現在で既に十一万頭を超えてしまった。今まで大切に育ててこられた農家の方々の悲嘆、苦痛はいかばかりか。政治は誰がやっても同じではない。無能人間に任せると全てを失うことになってしまうのである。

 マスコミは当初地元を除いては殆ど報道しなかった。原口総務相が自身のブログで報道規制を指示したと誤解される書き込みをしたので、あっという間にネットで広がり大騒ぎとなったが、すぐ気付いて自治体を全力で支えるという意味であり報道規制の指示ではないと釈明した。しかし民主党政権下では格別指示など必要ないのだ。マスコミは民主党の不利になると考えれば自主的に報道規制をするのであるから。 

 全力で支えるとは具体的にどういう内容か知らないが、この政権は上から下まで、全力で、命を懸けて、誠心誠意、といった耳障りのよい言葉がよく踊る。どうやら何もしないという鳩語であるらしい。まあ、この手の言葉を真に受ける有権者が存在するから仕方ない。「一生懸命やっているのだから」とネットに無縁のお婆さんたちは実に寛容である。年金が支給停止になっても寛容でいられるかどうか。

 マスコミと民主党の共通点は多い。どちらも自分の仕事をしないのである。やるべきことをしない。報ずべきことを報じない。すぐ人のせいにする。責任感が完全に欠落している。決して非を認めない。赤松など、ここに至っても、自分は悪くない、宮崎県の判断ミスだと他人事のようである。そしてこの二者はどちらも人をあらぬ世界に連れて行こうとする。怨念に捉われている。未だにこの似た者同士がグルだと認識できない人は、いつか自身が、例えば中国傀儡政権によって、殺処分の憂き目に遭ったとしても、気付かないだろう。 (怒)
.12 2010 論客より comment0 trackback0

電池が切れた?


 鳩山政権は米軍普天間基地移設問題で迷走の上に迷走をかさねたあげく「移設先は最低でも県外に米国、地元が納得する最終案を五月末までに決める」という公約を反故にした。

 首相の公約に期待を寄せた多くの沖縄県民は「騙された!」との思いであろう。

 8カ月に及ぶ時間の空費は何だったのか。

 このような状況を招いたのは鳩山氏に宰相としての資質や能力が備わっていなかったことは今さら言うまでもないが、そのこと以前にまず鳩山由紀夫という人物の人格的欠陥に着目しないわけにはいかないだろう。

 これは三十数年前の衆院文教委員会でのことである。ある委員は質疑の中でこう述べた。「工業化社会で育つ子どもたちの態度というのは、水というものは栓をひねれば出るものであり、お店に行けば何でも売っているものであり、カブトムシはデパートで買うものであると思っている。

 動かなくなったらお母ちゃん電池を取り替えてちょうだいという」と。

 その委員がいうような子供が本当にいたのか、多分喩え話だったのだろうが、それから三十数年の時を経て喩えの子供と同じ意識をもつ人物が首相になったのである。

 世の中の道理や現実を直視することなく夢想や願望さえすれば自分の思うままに事は成就するものであり、自分が汗を流さなくても誰かが面倒をみてくれるのであり、トラストミーと言えば米国大統領も信頼してくれると考えるのだ。

 まことに幼稚で身勝手な意識である。

 これは政治家にとって致命的な欠陥である。このことに鳩山氏本人はほとんど気づいていない。

 彼の目には現実が見えていないから当然である。焦点が定まらず、常に中空を彷徨うような彼の眼から容易に推察できる。

 夏の参院選ではこのような人物を代表に仰ぐ政党を選んではならない。 (樹)
.10 2010 論客より comment0 trackback0

ジャパン・ナッシング

 五月十六日までに鳩山政権が行ったことをまとめると、

①事業仕分けと称してGDPを下げに下げ、科学技術開発費までも大幅削減。スパコン開発費をめぐって担当のタレント議員が、「二番じゃいけないんですか?」との迷言を残す。

②日米間の合意、地元との調整も完了し、後は実施するのみだった普天間基地の移転を鳩山首相が蒸し返し、更にできもしない約束をして事態を徒に混乱させ、発言も二転三転。「五月末に決着してみせる。命がけでやる」と豪語していた首相は、決着を半年先送りしても議員辞職どころか首相辞任の気配すらなし。更に事態が暗礁に乗り上げてなお、「海兵隊が抑止力になっていることがわかった」と、今更のように述べる始末。

③外国人の国外の子供にも送金する「子供手当」を実施、国外への国富の流出に道をつけた。

④口蹄疫対策の初動を誤って事態は拡大。しかもその渦中に赤松農水大臣は外遊、福島臨時代理も何もせず、動いたのは野党の自民党。七百頭余りの殺処分で収束した二〇〇〇年の自民党小渕↓森政権時の百倍を超える牛豚が殺処分となってなお拡大中。

⑤改正国家公務員法の強行採決の際、委員でもないのに本会議場に乱入した三宅雪子議員が転倒するが、YouTube等で自演であることが判明。にも拘らず民主党は、彼女には触れてもいない自民党甘利議員に対して懲罰動議を提出する。

 更にこの後、数々の闇法案が控えている。

 四月二十三日付MSN産経ニュースは、昨今の日米関係を「ジャパン・ディッシング(日本けなし)」とするウォールストリート・ジャーナルアジア版(電子版)の記事を紹介しているが、現状はそれを通り越して「ジャパン・フィニッシング(日本終了)」、更に字義通りの「ジャパン・ナッシング(日本消滅)」すら招きかねない。
 (海底人)
.08 2010 論客より comment0 trackback0

アセリまくる民主党のミットモない対応

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件では、東京第五検察審査会の十一人の審査員が「全員一致」 で「起訴相当」を議決した。

 検察審査会という戦後半世紀以上の歴史がある制度について「素人だ」と批判をするなど民主党議員の「民意」を否定する発言が相次いでいるが、さらにこの「全員一致」という結果自体について、民主党は執拗に異議があるらしい。

 5月21日付の民主党機関紙の編集後記で「全員の意見が一致するとき」と題したコラムを松崎哲久衆議院議員が書いている。

 内容は、「全員一致の結論は無効」というユダヤの慣習法を紹介、「成熟した民主主義の下では全員の意見が一致する方が不自然との考え」があることを紹介した。

 明らかに小沢氏の起訴相当の決議が全員一致だったことへの当てつけと思われても仕方のない内容だ。

 メディアの方でも恣意的なものを感じる例を紹介する。

 東京新聞(四月二十九日)では「小沢氏や民主党支持者と思われる読者から反発の声が殺到」「鳩山政権と民主党のピンチに、支持者らは黙っていられないようです」と検察審査会を批判する読者の声を数件紹介しているが、審査会の議決を誣告(ぶこく)罪にあたらないのか?」などという頓珍漢なものまで紹介している。

 黙っていられないのは本当に支持者だけなのだろうか。

(中野信一)
.03 2010 論客より comment0 trackback0
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